今晩は。ミニキャッパー周平です。……ついに! この欄でも毎回執拗に告知し続けたジャンプホラー小説大賞の2冊が間もなく刊行となります。公式発売日は6/19ですが、大きめの書店では土日のうちに並ぶのではないかと思いますので、ぜひチェックしてみてください。
まずは、銀賞受賞作の菱川さかく『たとえあなたが骨になっても』。
高校生・朝戸雄一の敬愛する先輩・後光院凛々花は、周囲の全てを虜にする美貌と、警察から助力を請われるほどの推理力を備えた「名探偵」だった。雄一は、彼女の助手として奔走する日々を送っていたが、ある日、凛々花が何者かに殺害されてしまう。
しかし、殺されてからも凛々花の持つ推理力は変わらなかった。雄一は骨だけになった彼女とともに、町を襲う事件の犯人を追跡するが……?
オーソドックスな「学生探偵もの」――おかしな部活に探偵役と助手と情報収集担当が集い、学校の謎や警察の追う事件を解決する――という正統派キャラミステリ的な関係が崩壊してしまい、「終わってしまった」後から始まる物語。死してもなお謎への執着を失わない先輩と、先輩の頭蓋骨を大事に抱えて事件現場に向かう雄一。常軌を逸した関係となった二人がたどり着く真実は、呪わしく痛ましいものだった……異形にして闇色の、青春ホラーミステリです。
美しき凛々花先輩が神々しいまでの存在感を放つ、清原紘先生のカバーイラストが目印です!
続いては、編集長特別賞受賞作、ヰ坂暁『舌の上の君』。
異世界に迷いこんでしまった料理人・厨圭(クリヤ ケイ)は現地人の少女・アイサに救われる。クリヤは異世界の宮廷で料理人として身を立てることに成功するが、やがてアイサについて恐るべき真相を知ることになる。
彼女は「サカラ」という究極の美味を宿した人間であり、いずれその身を調理され、食される運命にあったのだ。アイサは他でもないクリヤに調理されることを望むが……。
昨今話題の「異世界」ものですが、クリヤは羨ましいシチュエーションを享受するどころか、倫理観の異なる世界で、壮絶な選択を迫られることとなります。献身的で愛らしいアイサを守りたい・救いたいという、現代日本人として自然な気持ちを抱えながら、彼女を調理し「食べる」ことが当然という価値観に少しずつ心を揺さぶられていくクリヤの姿から、目が離せなくなるでしょう。禁忌を踏み越えるダークなホラーであると同時に、少女との胸を引き裂くような悲恋をも描き切る衝撃作です。
異国情緒たっぷりの世界とキャラをビビッドに描く、しおん先生のイラストも多数収録しています!
というわけで、第2回ジャンプホラー小説大賞受賞作の2冊を、宜しくお願いいたします! 第3回の〆切ももうすぐ(6/30)なのでお忘れなく!